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バンコクで起業ししたものの、タイ語は難しい・・・日々努力。
magmag2021.10.4の記事を再掲します。これはmagmagでは2019年から、過去の記事が見えないからです。

タイに国営の海運会社ができればどうなるか
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―タイ運輸大臣は来年にも新会社を設立させたい、というが
9月20日のこの欄で、海上運賃の値上げが、米国をはじめ世界のインフレを増長している、と紹介した。海上運賃同盟は欧米では、各国のトラスト(独禁法)から除外されていることが多い。篠原陽一氏の、海運同盟の解説では、1998年以降の動向について次のように解説をされている。「このように、伝統的な海運同盟は解体を余儀なくされているが、世界の伝統的な大手海運会社は業務協定や業務提携をてこにして、グローバルな海上輸送サービスを提供することにおいて、その伝統的な同盟機能の維持を図っている。」(日本大百科事典ニッポニカ、海運同盟の解説)

また、「第二次世界大戦後、開発途上国は「自国貨自国船主義」を掲げて自国海運を育成してきたが、1974年国連貿易開発会議(UNCTAD(アンクタッド))において、「定期船同盟憲章条約」を採択させ、途上国船の積取比率を留保した」とある。
今年初めからタイ政府運輸大臣はタイ港湾公社(PAT)に命じて、国立の海運会社設立を検討させてきた 。先週のバンコクポストにはその概要が掲載された ので、紹介する。

狙いは、海運事業を外国企業に依存せず、自国の海運会社を育てたい、という。
これは、タイを海運業を地域ハブに育てタイ湾とアンダマン海の物理的な接続性を高める
という目標がある。
背景には、アセアン諸国の中で、タイの海運業はシンガポール、インドネシア、マレーシア、
ベトナム、フィリピンについで6位の位置。
運輸省海運局の説明では、タイ国籍の船は600万トン程度しか保有せず、輸出数量の90%以上が外国船籍の船を使用しており、タイ国籍の船がわずか9%しかない、と指摘されている。
国営の海運会社ができればどうなるか?タイの貿易の拡大と海上運賃の引き下げが可能となる。

政府は3つの会社を設立する構想である。
1は国内海運、2は地域間、3つは国際間を運航する。国内会社は、タイ湾の南からバンコク中心部や東部にモノを運る。地域会社はベトナム、カンボジア、韓国、日本及び中国の東海岸まで航路を設ける。一方、インターナショナル会社はラノンからベンガル湾多分野技術経済協力イニシアチブ(BIMSTEC)に加盟するバングラデシュ、インド、ネパール、ミャンマー、スリランカとタイを結ぶ。いずれアフリカや欧州とも航路を結ぶ構想である。

一方、タイ商工会議所のプーミン ・ハリンスット(Phumin Harinsut)副会頭からは、次の意見 もある。国立の海運会社を作ったからと言って、貿易が拡大するのではない。すでにタイ政府は第2次世界大戦中に設立した国立の海運会社を2011年に解散した。なぜなら、この会社は自社で船を持たず、船を借り上げて運行してきたからである。また、PTTの石油を運ぶTMN会社の30%の株を所有している。同社は、すでにタンカー船を3隻所有しており、さらに6月に10万トン級のタンカーも購入したばかりである。

タイの運輸省は、先の説明のように開発途上国は「自国貨自国船主義」を掲げて自国海運を育成したが、タイ政府の国営海運会社は解散せざるを得なかった失敗事例から学ぶべきではないか?

それには、自前の船を持つことと、タイの農産物、水産加工品の輸出拡大に貢献する航路とともに、帰りにも積める構造の船を所有すべきではないか?今回の構想は、国内、近隣国および国際航路と、海域を分けることで、所有する船の種類やサイズもおのずと考えられるのであろう。タイ国の造船業界にとっても自国の海運会社があることは業界の底上げにもなり、タイ政府海運局が監督する船員養成学校の卒業生の就職先の確保にもなると思われる。

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では、新会社の経営陣がタイ国際航空のように軍や政府官僚の天下り先になって、実際の経営を担う人材をどう確保するかに、依るのではないか。今後の動きに注目し、日本の技術と人材が生かせる連携が取れることを期待したい(2021.10.4)
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