バンコクで起業ししたものの、タイ語は難しい・・・日々努力。
自動車研究会でインド社会に溶け込む秘訣を
ーマルチスズキ、タタがなぜインド人から好まれるのか

6.27自動車研究会

6/27にバンコクのインターコンチネンタルホテルにある日本亭にて、インドの自動車事情についての勉強会を開いた。
筆者と、友人の自動車研究者Y氏が前半の講師。後半は当地に来ていただいたインドのデリー周辺にある日系の自動車部品メーカーのT社長から話を伺った。
最初は、小生からインドの自動車市場全般とマルチスズキの経営について紹介。Y氏からタタ自動車の低価格車ナノ誕生の背景、設計思想について話をしてもらった。
(写真は、勉強会終了後、ホテルのロビーで懇談しているところ。)
マルチスズキ

まず、インドでマーケットの55%を占めるスズキの秘密。
1982年にインド政府と日本のスズキが合弁で開始したが、町工場の発想で工場を建設。市場の拡大に応じて、工場の拡張を続けた。この中で、従業員の教育、部品の国産化を強力に進めたことがインドの自動車業界発展に役立った。
日本から技術移転を。人材育成と部品業界の振興をインドと日本の経営者が長期の視野で行ったことが成功の秘訣。もちろん販売店の育成など地道に基盤を築いてきたこともある。
インド人に聞くとマルチはインドの会社だと思い込んでいる。インドの証券市場に2003年上場した立派な会社である。
インドのタクシーは、これが主役。
TAXI


気取らない車、三輪車である。
このような小型車を愛用するインド人社会に、タタは10万ルピー(約30万円)の低価格車を売り出すと発表した。自動車業界には大きな衝撃であった。前回のインドの自動車ショーではこの車が世界の注目を集めた。
発売の理由をオーナーのラジャン・タタは次のように説明をしている。
「インドでは、1台のスクーターに4人が乗っていることが多い。小さな子供が前に、後ろには赤ちゃんを抱えた妻を乗せたスクーターである。このようなことから事故が多く、病院もいるし、中には亡くなる人もある。われわれは4輪車で何かできればと考えた。全天候対応で、安全な車を(安く)できないかと考えた。インドの底辺にいる大多数の若い青年層に役立ちたい」
世界の自動車の安全基準、環境基準からすれば、まだまだといえるがインドの事情にあった車が2009年には町中で見ることができる。特に都会ではなく農村で売り出すとのこと。

デリーのバス

T氏からはゾロアスター教徒のタタ一族の先祖が数百年前に当時のペルシャからインドに来たエピソードを聞いた。

ラジャー(王)
「インドにはたくさんの民がいるが、お前たちは何ができるのか」
王様の前に出た先祖
「もしわれわれの説明にご納得がいただけるならこのインドに住まわせてください。簡単に説明をしますので、目の前にグラスに入ったミルクをお出しください」
運ばれたグラスにはあふれるばかりのミルクが入っている。
先祖は、手元にある砂糖をスプーン一さじ分、静かにグラスに注いだ。
砂糖はミルクにゆっくりと溶けた。
「このようにグラスいっぱいのミルクですが、われわれがインドに住むことが許されるなら小さなスプーンの砂糖のように社会に溶け込んで、社会を甘くして見せます」

以来、タタ一族はゾロアスターの信仰を守るとともに、インド社会への貢献に力を注いで生きて来た。英国統治下で海運業の免許を得たことなど商才があり、巨大な富を築いてきたが、インド人からやっかみの感情をもたれないため社会貢献をする伝統がある。T氏によると「タタグループなら、コストを度外視してもやるのではないか」とのこと。

上のエピソードは、海外にでる日系企業にも考えさせられる話である。
海外投資はもちろん収益を上げる必要があるが、現地社会に何で貢献できるか、考えないと継続は難しいという一例でもある。
(写真はタタ製のバス。タタはトラックから軽自動車まで製造。インド人は朝から夜まで、タタグループの製品無しには生活が考えられない、といわれるインド最大の財閥となっている)
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