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バンコクで起業ししたものの、タイ語は難しい・・・日々努力。
チャオプラヤ川の治水管理
DSCF4779-10Dr.Chukiat Sapphaisai


セミナーの後半、タイ政府の水管理の専門家Dr.Chukiat Sapphaisaiを招いてチャオプラヤ川の治水管理の2012年の雨季に向けての緊急課題について報告があった。
内容は、上流では森林地帯の保水管理、国土管理、国土の活用が課題、
中流では、地方の中核都市の災害防止、雨季のピーク時の保水管理と農業生産とのバランス、土地利用と土地開発計画の課題
下流では主要な経済地域を洪水から守ること、洪水の排水経路の確保、土地利用と開発計画など、同じチャオプラヤ川の治水管理といっても、上中下の地域によって目的が異なる。また、JICAの提言にもあったように一つの組織で、総合管理が出来る仕組みが出来ていないことが大きな課題として挙げられた。

国土利用計画と農業、産業の発展の課題

セミナー後半の質疑応答では、政府は国土利用計画と農業、産業の発展の課題、エネルギー政策との兼ね合いから、どう考えているのか、と言う質問が最初にあった。
DSCF4797-10lectures.jpg


Kittiratt Na-Rong副首相は、2011-2012年の予算で、緊急対策として120億バーツ、2013年予算で500億バーツの予算を年度予算から捻出できる、との説明があった。しかし、長期計画としてチャオプラヤ川流域の治水管理として3000億バーツ、その他の地域の治水管理として500億バーツを想定していること。すべてが、政府予算で行うのではなく、一部は官民協調の事業を行えないか、と検討を重ねているとの説明もあった。
資金調達面では、数日前からFIDFへの補助金を削除して使えるとの説明。
具体的には、1997年の経済危機の際の緊急措置をとった基金への予算を政府予算から、中央銀行と民間銀行に付け替え、国債発行が12%削減できるとの説明。また、今のタイ政府の財政は健全で、公的債務の比率はGDPの42%程度で、一応の目処と言われる60%まではまだ余裕があるとの説明だった。

政府とJICAのセミナーからは、計画面での取り組みが紹介されたが、どの国も同じで、総論賛成、各論反対がある。まして、農業団体の利益、エネルギー業界の利益、産業界の利益は相反する場合が多い。その場合の、補償問題など、上記のインフラ対策予算だけではすまない課題もある。政治家のリーダーシップが問われるのである。
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コメント
この記事へのコメント
Chao Phraya M/P
はじめまして。
当方もこのセミナー参加しました。工業団地死守が日本政府の思惑ですが、民営なためタイ政府の感心は薄いように感じます。現政権の支持母体が農民支持ってのもあるからでしょうか。
会場質問でもあった、確実な原資捻出と計画の実直な履行がこの国のリーダーに求められることは同感です。
2012/01/31(火) 15:40 | URL | taca #3un.pJ2M[ 編集]
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